シンハラ語
සිංහල
インド・ヨーロッパ語族のインド・イラン語派
日本語と同じSOV型
アブギダと呼ばれる文字体系
母音18種・子音36種の文字54種
シンハラ人に話される言語で、スリランカの公用語はこのシンハラ語とタミル語の二つ。主に都市部では英語も広く普及しており、シンハラ同士の会話であれど英語とミックスで話している姿をよく見かけます。
また「スバウダーサナック(おはようございます)」「スバダハラワック(こんにちは)」などのシンハラ語があるのですが、それら挨拶は主にテレビやフォーマルな場で使われ、日常の大くは「Good morning」と英語だとか(友人は「古臭い感じがする」と)。
母音
අ ආ ඇ ඈ
a ā æ ǣ
ඉ ඊ උ ඌ ඍ ඎ
i ī u ū ṛ ṝ
ඏ ඐ එ ඒ ඓ
ḷ ḹ e ē ai
ඔ ඕ ඖ
o ō au
子音
(▲三つの言語が使われている博物館の説明書き。都市部で見た限りですが、道路標識はシンハラ語・タミル語・英語の順の三言語での表記)
シンハラ語クイズ
このページ内にある情報からぜひ読んでみてください。答えはページの一番下にあります。(例 ශ්රී ලංකා=スリーランカー)
1.බස්
2.තේ
3.කොළඹ
4.ආයුබෝවන්
5.ශ්රී ජයවර්ධනපුර කෝට්ටේ
ක ච ට ත ප
k c ṭ t p
ඛ ඡ ඨ ථ ඵ
kh ch ṭh th ph
ග ජ ඩ ද බ
g j ḍ d b
ඝ ඣ ඪ ධ භ
gh jh ḍh dh bh
ඞ ඤ ණ න ම
ṅ ñ ṇ n m
ඟ ඦ ඬ ඳ ඹ
n̆g n̆j n̆ḍ n̆d m̆b
ය ර ව ළ ල
y r v ḷ l
හ ශ ෂ ස
h ś ṣ s
母音字記号
ැ ෑ ා ි ී ු ූ
æ ǣ ā i ī u ū
ෙ ේ ො ෝ ෘ ෲ
e ē o ō ṛ ṝ
文字の変化
”シンハラ文字はアブギダであり、子音字に母音がつく場合子音字に母音記号を書き足す形になる。子音字のみだと子音+[a]の音を表す。ただし一部の子音字については、特殊な変形をするものも存在する。”"シンハラ文字"『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より。
"最終更新 2019年12月15日" UTC https://ja.wikipedia.org/wiki/シンハラ文字
日本語の平仮名カタカナのようにすべての音がバラバラの形であらわされるわけではなく、上記のように子音字に記号がついて音が変わるため、くるりとした特徴的な見た目でやや複雑そうに見えますが、文字だけ覚え文章を音だけ読むことは案外に簡単です。
「か」「き」「く」「け」「こ」と共通点のない形をした平仮名などに対し、「ක(ka)」「කි(ki)」「කු(ku)」「කෙ(ke)」「කො(ko)」となります。
【長音の場合】やや記号の形が変わる
ක + ා = කා (kā)
ක + ී = කී(kī)
ක + ූ = කූ(kū)
ක + ේ = කේ(kē)
ක + ෝ = කෝ(kō)
ක(ka)
ක + ි = කි(ki)
ක + ු = කු(ku)
ක + ෙ = කෙ(ke)
ක + ො = කො(ko)
下の文字一覧を見るといくつかの変形の例外(上記のකු,කුなど)を除けばこのルールで共通しています。
また、子音字単体に旗のような記号「්」を付けると、子音のみの発音を示します。සならサ→スになります。
ස(sa)+් = ස්(s)
ただしචටඩබමවらは「්」ではなく、ච්ට්ඩ්බ්ම්ව්で子音のみの形を表します。
これらを踏まえて、ぜひ左の写真のシンハラ語を読んでみてください。
බිස්කට්
答え(反転):බි=bi ස්=s ක=ka ට්=ṭ
biskaṭ
そのまま「ビスケット」です。拍子抜けしたかもしれません。
もしスリランカを訪れる機会があれば街中の看板を読んでみてください、案外英語とほぼ同じことが書いてあったりで楽しいです!
・五十音で・
අ ඉ උ එ ඔ
a i u e o
ක කි කු කෙ කො
ka ki ku ke ko
ස සි සු සෙ සො
sa si su se so
ත ති තු තෙ තො
ta ti tu te to
න නි නු නෙ නො
na ni nu ne no
හ හි හු හෙ හො
ha hi hu he ho
ම මි මු මෙ මො
ma mi mu me mo
ය යි යු යෙ යො
ya yi yu ye yo
ර රි රු රෙ රො
ra ri ru re ro
ල ලි ලු ලෙ ලො
la li lu le lo
ව වි වු වෙ වො
va vi vu ve vo
(wa wi wu we wo)
ග ගි ගු ගෙ ගො
ga gi gu ge go
ද දි දු දෙ දො
da di du de do
බ බි බු බෙ බො
ba bi bu be bo
ප පි පු පෙ පො
pa pi pu pe po
න්/ං
n
【解説】
1.bas(バス) බස් බ=ba ස්=s
初乗り12ルピー(約7円)。50km以上乗っても100円はそうそう超えません。ドアは常に開きっぱなし、運転が荒く基本かなり揺れます(天井の棒か椅子の手すりにつかまります)。運転手とコンダクター(料金を集める人)の二人構成。外国人だとぼったくられることも。街中で乗るには20ルピーなど少なめに出すのが吉。ベルを鳴らして降車を知らせますが、降りたと分かるや否や発車するので乗降者は素早くかつ気を付ける必要があります。
2.tē(テー) තේ තෙ=te ්=長音
紅茶のこと。発音はティーではなくテー。
(世界のお茶を指す言葉は「tea」系、または「cha」系かに分かれているそう。お茶の発祥地である中国の地域によって呼び方が違うため、伝播の仕方でどちらかに分かれるのだとか。ヒンディー語では「chay」になっている)
3.kolamb(コロンボ) කොළඹ කො=ko ළ=ḷa ඹ=m̆b
スリランカ最大の都市の名前。元首都であり、現在もほぼ中心的な役割を持つ。
市内を走る車は相当な量だが信号は少なく、渋滞も激しい。よくコロンボに行くのですが大きなビルやホテルが沢山立ち並んでいてかなり都会的です。しかし物乞いの人も少なくはなく、路上やショッピングモールの入り口などに必ず姿があります。
4.āyubōwan(アユボワン) ආයුබෝවන් ආ=ā යු=yu බෝ=bo ව=wa න්=n
スリランカの挨拶のひとつ。どの時間でも使え、「長生きを祈る」というような意味です。両手を合わせて軽いお辞儀と共に言います。スリランカの人に挨拶するときに使うと喜ばれたり。テレビを見ていると、スリランカのニュースキャスターもニュースの始まりに「アユボワン」と合掌し頭を下げてからニュースを始めています。
5.srī jayawardanapura kōtte(スリジャヤワルダナプラコッテ) ශ්රී ජයවර්ධනපුර කෝට්ටේ
ශ්රී=srī ජ=ja ය=ya ව=wa ර්=r ධ=da න=na පු pu ර=ra කෝ=kō ට්=t ටෙ=te
スリランカの首都。世界で二番目に長い(一番はバンコクの正式名称)。長いのでコッテやコーッテなどと略される。
スリ=聖なる ジャヤワルダナ=第二代大統領の名前 プラ=街 コーッテ=改名前の元々の街の名前
【シンハラ語クイズ答え】
1.bas(バス) 2.tē(テー) 3.kolamb(コロンボ) 4.āyubōwan(アユボワン)
5.srī jayawardanapura kōtte(スリジャヤワルダナプラコッテ)